①:「眠りのヨガ」ヨガニードラとは?
ヨガといえば、体を伸ばしたり動かしたりするというイメージが強いですよね。実際、ヨガにはさまざまなポーズがあり、難易度もさまざまです。しかしながら、ヨガの種類のなかには、「眠りのヨガ」とよばれる体を動かさないヨガもあるのです。これは、ヨガニードラとよばれていて、まどろんだ意識のなかでおこないます。瞑想を用いることで、心身を深くリラックスさせることを目的としています。心と体はつながっていると考えられているため、ストレスやトラウマがあると心が緊張状態になってしまい、体にも不調が現れてきてしまいます。それに対して、眠りのヨガをおこなうと心身の両方にうまくリラクセーションを与えることができます。ヨガニードラには心身を単にリラックスさせるだけでなく、それによりさまざまな効果も期待できます。ヨガニードラを習慣として取り入れることができれば、疲れ知らずの元気な身体を手に入れることも決して不可能ではないでしょう。
②:ヨガニードラの効果は?
ヨガニードラをおこなうと、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。ヨガニードラにはさまざまな効果があります。せっかくおこなうなら、その効果をしっかりと感じたいですよね。ここでは、ヨガニードラの具体的な効果について紹介します。効果を知れば、きっと試してみたくなるはずです。
*心からの深いリラックスが味わえる
ヨガニードラをおこなうと、心身の緊張が解き放たれて深いリラックスを味わうことができます。リラックスすると副交感神経の働きが活発になります。現代人は交感神経が活発な状態のままになってしまう人が多いので、この状態は自律神経の働きがよいといえます。そのため、ヨガニードラによって不眠症や不安感、慢性的な疲労感なども抑えられるようになります。心が前向きになるので、自然とものごとを肯定的にとらえられるようになります。
*原因不明だった症状やトラブルが改善する
ヨガニードラによって自律神経の働きが整うと、体のさまざまな症状やトラブルが改善されることも多いです。たとえば、頭痛や便秘、手足のしびれ、動機などに悩んでいる方もいるかもしれません。そして、さまざまな方法を試してみてもなぜか症状がよくならないというケースもあるはずです。そのような場合は、自律神経の乱れによって症状が引き起こされている可能性がおおいにあります。そのため、ヨガニードラによって自律神経のバランスを整えることで、原因不明だったさまざまな悩みを解消することにつながります。
*睡眠をとったのと同じような効果が得られる
ヨガニードラをおこなうと、普通の睡眠よりも体を休ませる効果が高いといわれています。具体的にいうと、1時間おこなえば4時間寝たのと同じ効果が得られるという説もあるほどです。深くリラックスして心身をしっかりと休ませることができます。
*睡眠の質をアップさせる
ヨガニードラには、睡眠に似た効果があるだけでなく、睡眠の質を高める効果もあります。快眠しやすい体質へと変化させることも可能です。体の緊張がほぐれるので、精神的にもゆっくりと休むことができます。疲れた体を睡眠だけでしっかりと回復させられるので、体に疲れがたまっている人ほど高い効果を感じられるでしょう。
③:どんな風にやるの?流れやコツをご紹介!
では、ヨガニードラは具体的にどのようにしておこなえばよいのでしょうか。効果をしっかりと感じるためには、正しいやり方でしっかりと取り組むことが大切です。ここでは、簡単なやり方について紹介していきます。自宅でもできるので、ぜひ試してみてその効果を実感してみてください。
*シャバアーサナで準備する
ヨガニードラをおこなうときは、まず横になる場所を確保してください。自宅でおこなうならベッドの上を利用するか、床にマットをしいておこなうのがおすすめです。家族がいる場合は、おこなっている最中に話しかけられないように注意しましょう。心配な時には、事前に一声かけておくとよいです。まずは仰向けに寝るようにしましょう。このときは、シャバアーサナのポーズを意識します。シャバアーサナとは仰向けになり、完全に全身の力を抜くポーズのことです。日本語では、屍のポーズともよばれています。シャバアーサナは、ヨガニードラの基本のポーズです。ヨガのレッスンにおいても、最後におこなうことが多いポーズとなっています。
*体をしっかりと緩める
シャバアーサナのポーズをとったら、まずは深呼吸をしたり体を伸ばしたりして、全身を緩めていきましょう。体の状態が落ち着いたら、足は肩幅以上に開きます。そして、わきの下にもこぶしひとつ分くらいのスペースを確保しましょう。そうしたら、頭の先に意識を集中させて力を抜いていきます。次に、頭の後ろや前、おでこ、目などと順番に力を抜いていきましょう。さらに、口のなかや肩、胸、背中と細かい部分を意識して力を抜いていきます。なるべく細かく一つ一つの場所をほぐしていくことが大切です。ゆっくりと時間をかけて構いません。この工程を適当にやってしまうと、瞑想をしっかりおこなっても深いリラックスを得るのが難しくなってしまいます。
*瞑想をおこなう
体の隅々まで力が抜けたら、あとは静かな状態のなかでゆっくりと自分自身と向き合っていきます。呼吸は自然なもので構いません。全身の力が抜けていることを感じながら、ボーッとするようなイメージです。この状態をしばらく保ちます。なお、疲れているときはこの状態でいつの間にか眠ってしまうこともあるかもしれません。ヨガニードラは眠りのヨガとよばれてはいますが、基本的には瞑想中は起きているのが基本です。とはいえ、どうしても寝てしまうときには、そのまま眠っても大丈夫です。ただし、眠ってしまうと効果は得られないので注意しましょう。どうしても眠いときは、ヨガニードラではなく睡眠などの休息をしっかりとったほうがよいです。
*目覚めるまたは眠りに入る
瞑想がひととおり終わったら、ヨガニードラは終わりです。この後は起きる場合と眠る場合の2つに分かれます。起きる場合はそのまま起き上がって構いません。また、眠る場合も頭を切り替えて、しっかりと睡眠をとっていきましょう。ヨガニードラを終えると、心が空っぽになって余計な思考がない状態になります。普段はあわただしく常に頭がフル回転していたということに気がつくきっかけにもなるでしょう。
ヨガニードラをおこなうと、疲れた心身を簡単に癒すことができます。やり方はとても簡単なので、疲れがたまっていると感じている方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。睡眠と覚醒の中間を保つのはなかなか難しいので、最初は5分程度から始めても構いません。普段は忙しい人でも自分自身としっかり向き合う機会を設けることができます。心身ともに健康を保ちましょう。